ほっこり話♪

信号が点滅をはじめたので慌てて自転車を出したら、チャリンと音がしました。

振り返ってみると、渡り終わった横断歩道の上にフックが。

見紛う事なき、私の荷物掛け用フックです。

古くてぼろっちぃし大切にしているものではないものの、私は根がケチなので(w)

自分の持っていたものは例えゴミでも置いていきたくない。(ww)

それに何より、

渡り終わった横断歩道の向こうで、スーツ姿のお姉さんがこちらを見ています。

落としたことを教えてくれようとしているような表情に、私は自転車を止めました。

せっかく急いで渡った横断歩道ですが、目撃者がいるのなら仕方がない。

回収しよう。

せっかく渡ったのに面倒くさいなぁ、と思いつつ。ボロイものなのに恥ずかしいなぁと思いつつ。目撃者がいるしなぁと思いつつ、信号が変わるのを待ちました。

ようやく歩行者用の信号が青に変わり、私はフックを回収すべく歩きだしました。

すると。

向こう側から自転車を押して来た方が、先にフックに近づき、拾おうとしてくれています。

フックが落ちたのを教えてくれようとしたお姉さんでした。

自転車を押さえながら、一生懸命手を伸ばすその姿にハッとして私は駆け寄りました。

「すみません、ありがとうございます!」

謝罪とお礼を言いながら近づいた私に、お姉さんはようやく拾ったフックを差し出しました。

「良かったですね、車に踏まれなくて」

笑顔で言われた言葉に、無性に嬉しくなりました。

優しくされると、誰かにやさしくしたくなる。

優しい気持ちになれるなぁとほっこりしながら、帰路に着きました。

お姉さん、ありがとうございました。

お姉さんのおかげで、幸せな気持ちになれました。

そして。

ぼろっちぃフックが捨てられなくなりました(笑)。




小鶴笹栗  ここだけの話♪

こづる さぐり。 愛称『つる子』 福岡市出身。 声のお仕事をしています。 宅録も可能です。 まずはお気軽にお声がけください。 みなさんと素敵なご縁でつながれますように…❤

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